第2章 本編 幸せの青いルフ
*メローザ目線*
広い広い砂漠の上を、ただ歩く。
私は今から・・・・・・・・・・・・死にに行く。わかっている。
砂漠民族”ゼール”の一人である私、メローザは今から・・・
闘技場に行くのだ。
東方の国で聞くような闘技場とはわけが違う、『死への扉』
と呼ばれるキャッシオ闘技場。暴虐な金持ちが気まぐれで建てたと聞いたことがある。
・・・・・・そんなところに、なんで私が行かなくてはならなくなったのだろう?
狩りは楽しいから好きだ。両手に持った短剣を振り回し、
切りつけて動物を殺し、食べて生きるための力にすることは、動物たちが私を生かしてくれることがわかって、とてもありがたいと思う。
自分の剣技を見つけて磨いていくのだって楽しい。けれど・・・
同じ世界に住んでいる人を殺すなんて、嫌だわ。