第2章 本編 幸せの青いルフ
*メローザ目線*
「メローザ、君が好きだ。死んでも一緒にいたい」
驚いた。
彼の目には涙が溜まっていて、顔は赤かった。
涙の意味は、一緒に幸せになることが出来ない悔しさだろう。
顔の赤さの意味は、本当に私を想ってくれている証だろう。
「私もよ、ロクト。私も貴方が大好き・・・一緒にいたい」
神様、あなたって残酷ね。
一族の勝手な行動で死の扉に立たされた私たちを、引き剥がすなんて。
嫌よ。私は置いていくのも置いていかれるのも嫌・・・!
嫌だ、いやだ、イヤダ・・・・・・!!
「ロクト、なんで私たちこうして戦っているの?どうして傷つけ合わなきゃならないの?どうして死ななきゃならないの?」
思いがあふれて、涙になって流れる。言葉になって溢れる。
私たちには戦いで出来た傷が沢山ついた。
好きな人に付けられた傷が。
もうそれで十分よ。十分痛いわ。
だから、もう私たちを解放してよ・・・・・・・・・
幸せに、暮らさせてよお・・・・・・!!
近距離で剣を押し合いながら、涙をこぼす。
ロクトは何も言わず、私の傍に居てくれた。剣を少し強く
押したり力を弱めたり、戦っているふりをしながら。
私、貴方のそんなさりげなく優しいところが大好きよ。
もっと、貴方のことを知りたい。色々聞いてみたい。
叶わない欲望や悲しみや両思いの喜びが混ざり合って、
私に現実を突きつけた。
一度距離をとって見えたのは、私の一族と、地面と、
大好きな、彼。
私が一番大切なのは・・・守りたいのは・・・
一族の誇りじゃない。自分の命でもない。
彼だ。