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幸せの青いルフ

第2章 本編 幸せの青いルフ


 *ロクト目線*

「お友達に、なりたいな」


優しくて穏やかで、俺の心を包み込む声。
それを聞けただけで俺は幸せだ。
でも心は、それ以上を求めていた。
『彼女の肌に触れてみたい』
『彼女と色々な場所に行ってみたい』


『彼女に”好きだ”と伝えたい』


出来ない。叶わない。叶えたい。

欲望は俺の中で渦巻いた。

自分が壊れてしまわぬよう、欲望を抑えられるように
彼女に話しかけて落ち着きを取り戻す。

「・・・もしここから生きて出られるなら、まず何をしたい?」
「うーん・・・・・・その場合、君が死んでしまうんでしょう?
なら、私は君に謝りたいな」
優しいのは声だけじゃなく、心もだった。
「メローザは優しいな。俺なら死ぬかもしれない」
俺は彼女と違って、優しくない。彼女のような善人じゃない。だから俺なら勝手な償いで自殺するだろう。


「・・・・・・どうして?あなたのせいではないのに」


嗚呼、どうして君はそんなに優しいんだ。
なんで俺のせいじゃないんだ。そうなる場合君は俺に殺されたんだぞ?

「俺が、憎くならないのか?」


「悪いのは、あんなルールを定めた人よ」


嗚呼、俺はもうダメだ。
君の優しさに溺れたい。もっと君の言葉を聞きたい。
この闘技場から君を連れ出してでも君と一緒にいたい。
目に涙がたまる。流れることなく、ただたまる。




「メローザ、君が好きだ。死んでも一緒にいたい」



思いは言葉となり、勝手に口から溢れ出ていた。
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