第2章 本編 幸せの青いルフ
*メローザ目線*
どうせこれから死ぬのだから、少しぐらい話したっていいだろう。
そんな声が小さく聞こえた。
そうだね。私も君について聞きたい。一緒に話そう?
私はそう思いにこりと笑った。
時々得意の剣技を見せながら、語り合う。
「君は”ゼール”の者だと聞いたな。確かやる気と団結力は他の民族よりも強いとか・・・」
「ええ。貴方は”エトワール”の者らしいわね。星について研究していると聞いたわ」
「ああ。星は便利だよ。それぞれ輝きが違うから、方角がわからなくなっても安心なんだ」
「そうなの?知らなかったわ・・・・・・ねえ、あのね」
私は少し失礼かしらと思いながらも、この状況だしいいか、と考え言葉を発する。
「お友達に、なりたいな」
純粋な言葉。どうせ死ぬのにこんな願望叶えてもらおうだなんて、みんなが聞いたら呆れるだろう。
「いいよ、よろしく」
返ってきた言葉は意外なもので、私は嬉しくて微笑んでしまう。
思ったことをすぐ言ってしまうせいで、友達とは仲が悪くなって話せなくなっていたので、とても嬉しい。
私は思わず、舞うように短剣を振り回してしまった。
彼は1本の剣で2本の短剣を器用に受け止めた。すごい、攻撃も防御も1本の剣であんなに出来るなんて・・・!
命をかけた闘いだというのに、私は楽しくて仕方がなかった。
好きになった人と語り合いながら、剣で戦う。普通の人なら嫌がることだと思う。
でも私には楽しい時間でしかなかった。