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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第5章 ふわりふわり揺れる思い


聖臣side

「この先、今までにないくらい嘘をついたり、動揺する事が増えていく。

その時々、最善な言動が必要になる、お前らの無い頭でよく考えて行動しろよ!」

「聖臣、言い方!」

「もう、お開きだ。迎えがきたぞ」

元也に叱咤されても、向こう側から双子の母親が、こちらに近づいてくる。

「話しは、済んだの?」

溜息をついて双子に近づく母親は、片手ずつ二つの頭を撫でると、恥ずかしそうに俯く双子。

「『何やねん、赤ちゃん扱いすんなや!』」

「あら悪い?2人していじけてるからよ。

そんな顔してたら、沙耶ちゃんが心配するから、そう言うとこ遥にそっくりよ。

弱い子には滅法弱い達だから、自分の事より相手の方に気を使うのよね。

そのくせ、自分の言いたい事とか我慢して、自己犠牲するタイプだったのよ」

思い出し笑いをした後、ふぅ一と深い呼吸おいて俺達を見据えている。

「何やってんだかね〜あんた達は?4人で取り合いっこでもする気?」

「別に取り合いとかじゃない」

目を逸らしながら宮侑は、母親に伝えるもそれを良しとしないでいる。

「あの子…かなり精神的に不安定なの。

今の状態は、まだマシな方かしらね。

いつか事故のフラッシュバックが起きた時、4人で取り合いしてたらどうなるかしらね?

誰に頼っていいのか、分からなくなるわね。

そう言う事も踏まえて、言ったのよね、佐久早君?」

フラッシュバックした時の事も考えてはいたけど、正直かなりキツい。

事故の影響でバレーを出来ない体になっただけじゃない、起こり得る状況はいくつかある。

それを沙耶自身受け止める事が、本当に出来るのか?

今の状況からして、無理をするかもしくは、心を閉ざしてしまうのか、いくつも浮かんでくる。

それは、考えたくない最悪な沙耶の姿は、いつかの日に見た窓から乗り出した時と重なる。

「宮達に言った事は、俺達にも当てはまる。

最善な言動・・・それは沙耶対して必要な事だと思っています。

潰れないようこちら側に向かせるのは、一つの手段に過ぎない」

「そう…侑も同じようにしていたわ。

治よりも気づく事も多かったし、ただ貴方よりそこまでではなかったみたいけど、きっとこれから変わるわね。

佐久早君なのか侑なのか」

意味深に笑みを浮かべていた。
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