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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


聖臣side

「プッあははは、何それ2人とも何やってんの」

笑いだした元也は、いつも通りであんなにムカツいていた態度も、どこにいったのか。

元也につられて、木崎も笑い出して沙耶もつられて笑っている。

さっきと同じ笑顔がまた戻っていくようで、心が弾ける。

これは、事故に会う前のいつもの俺達の光景だ。

「元也も食べてみて、美味しいから」

いつもの調子で、元也にあ〜んとする。

元也は、そのまま誘われるように、パクリと笑顔で答えてる。

それが何か、イラってしてしまう。

いつもの光景なはずなのに、心が真っ黒に染まる。

「他の奴にも食べさせないと、売りもんにするのか決まらないだろう」

「あっ!そうだね、教室戻ろか?」

終始ご機嫌になった沙耶は、元也と木崎に声をかけた。

「沙耶が良いなら、しょうがない。

他のやつにも食べさせてやろうぞ」

木崎が、右手で皿を持ち反対側の手で、沙耶を腕を掴み楽しそうに向かって行く。

2人後ろ姿を見送り、あの日ケンカした以来元也と2人きりだ。

「聖臣ってさぁ、独占欲強すぎて笑える」

「はぁ?何それ、訳わかんねー」

勘づかれた?それとも露骨すぎて顔に出てたか。

はぁーマジだせぇ。

「顔に出てるって、そんな顔してたらみんな寄りつかないよ」

「どんな顔だよ」

「だから、その眉間に皺寄せと不機嫌な顔だよ」

「ほっとけって!」

「ぷっ!あはは」

「笑うな!」

顔を見合わせれば、お互いに笑ってた。

何も解決してないけど、お互いの蟠りは少しだけど取れた気がする。

「あのさーこの間の事…」

唐突に始まった元也の話。

「あぁ…」

「沙耶には、もう好きって言わない」

「…あっそう…それって諦めるって事なのか?」

「いや、諦めるのは難しいよ。

沙耶の事、今でも好きだけど、さっき笑った顔見たらさぁ…。

俺が好きだって言ってまた困らせて、あの笑顔が無くなるの嫌じゃん。

それに、沙耶の気持ちは、決まりつつあるんじゃない?」

決まりつつって!なんだそれ、俺には沙耶の気持ちはわからない。

アイツの事もあるし。

「それはどうだか、俺にはまだ揺れてると思うけど」

「揺れてるって?誰に?」

アイツ以外いるかよ。
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