第4章 宮兄弟の愛し方
侑side
沙耶に会いたくて溜まらん。
抱きしめたい…これから起こることも不安にさせたないし、バレーができん事も沙耶が納得するまで慰めてあげたいと思えた。
だから足は、自然とふらりと病室に向かう。
「おい、待て」
病室に向かう足は、佐久早君に阻まれる。
「なんやねん!その腕離して欲しいんやけど?」
睨みつけるように佐久早君をみるが、相手も行かせないように腕に力を入れてくる。
「痛いんやけど?その手離せって!マジでそこどけや!」
「断る!お前らに近寄って欲しくない」
はぁ?何言うて、近寄って欲しくないってなんやねん。
「沙耶に近寄って欲しないってどう言い意味や?」
「そのままの意味だ。誰も沙耶に近寄って欲しくない」
「だから、なんでソレをお前が言うねんって」
俺と佐久早君の間で、バチバチと火柱が上がるようにお互いを牽制する。
近寄らせたないって、まだ沙耶は、佐久早君のものじゃないのになんでそんな事言われなあかんのや。
「元也…お前も宮達も、今日は帰れ」
「だから、なんで言われなあかっ『沙耶が泣きながらお前らの事謝ったからだ』」
謝るって何?告白のことかそれとも。
「沙耶が泣いて、お前らの事を怒るなって言ってるそうだ。
たぶんさっきのやり取りを聞いたんだろうな。
俺もお前に対して、かなり怒ってたからそれでだろうけど」
佐久早君が、俺に向けて言ってたこと気にしてくれるんか。
ほんまに優しいな、自分が苦しいはずなのにどうして他人ばかり優しくするんやろうな。
俺も言わなあかん事がある。
「俺は、沙耶を笑わしてやるつもりでここにきた。
だから、今日沙耶に好きだって言うつもりもなかったんや。
せやけど、そんな風に言われたらな、沙耶を守りたいと思えるんや。
他人事ばっかり気にして、沙耶は優しすぎる。
これから何が起きても、沙耶がどうなっても変わらん、沙耶を守るって決めた。
ずっと好きや、好きでありたいねん。
佐久早君、古森くんには、悪いけど本気でいかしてもらうわ」
「なんや、ツムだけ宣戦布告?俺かて沙耶を守りたい、好きから譲れんよ」
続けてサムも、二人に向けて思いをぶつけてきた。