第4章 宮兄弟の愛し方
「治君もカッコイイよ。
侑君と同じぐらい鍛えるって感じだし」
「ありがとうなぁ」
ちょっと照れた治君が、笑顔で微笑むから可愛いすぎ。
男の子に可愛いって失礼かもしれないけど、このギャップは“萌える”ってやつなのかも。
「サム、えぇ加減にせぇよ、沙耶に無駄な愛想振りまくな」
「えぇやろう!減るもんでもあるまいし、沙耶が、甘やかしてくれるんやったら何でもやる」
「あぁ!なんやねん、キモっ」
「うっさいわ!!」
あっ、また始まった。
双子ってお互いの事を理解しているし、わかっているからこそ呼吸が合うだろうけど、この双子は変なとこで合うから。
「もう、また始める~仲良くって言ったでしょう!」
二人の手を握り、二人の瞳とぶつかる。
「せやな~沙耶が、嫌な事は極力しない。
今日は、いい天気やから気晴らしに外に出てみようか?」
「えっ!いいのかな?勝手に出て行ったら怒られない?」
「大丈夫やろ、おかんに言って来てサム。
俺は、先に沙耶と散歩してくるから」
「はぁ?抜けがけ無し言うたろ?ツムばっかりあかん。」
「言ったもん勝ちやもん」
意地悪っ子のように侑君が言うから、治君が煮え切れない顔している。
「わかった、貸し一つやで」
「ごめんね、治君。」
「えぇよ、そんな嬉しそうな顔されたら、どうてことないけど…。
でも、ツムばっかり良い想いしているのは、癪に触るしなぁ~」
腕を組んで考えてから、良い事を思いついたようで、さっきの侑君のみたいな意地悪っ子の笑顔。
やっぱり似ているなと思っていたら、顔が近づき「先に貰うわ」と治君が言うと、首事持ってかれる。
えっ!!と思った瞬間触れる唇。
「キスするときは、目閉じて欲しいんやけど?
沙耶もしかして初めて?」
「えっ?えぇっ!!なんでキスするの?」
「ほんまアカン、お前バカやろ!」
侑君が、治君から引き離し聖臣や元也と違った逞しい腕が巻き付いて、お腹が熱くなる。
「コレしか思いつかんかった。
それに、なんでキスするって好きやから…沙耶の事、小さい頃から好きや」
告白されているのに、キスされてかなり放心状態。
「ツム、言って来いって!マジでないわ」
侑君が、抱き抱えられて部屋を後にした。