第3章 目覚める瞳
「俺は、沙耶が好きだから、そうゆう事してもいいわけだ」とぶっ飛んだ発言。
していいわけないでしょう!
キスは、好きな子にしかしちゃいけません。
それよりも、何回もしてるってどういう事?
寝てる時にって反則!絶対ダメ!頭がパニックで噴火しそう。
聖臣の事が、理解出来ない。
「あのね!キスは、外国じゃ愛情表現の一種だけど、どの子にもしていいわけじゃない」
「はぁ〜本当に鈍い!」
顎を持ち上げられ、聖臣と視線が合うと少し拗ねた表情している。
「まだ分かんないの?
寝過ぎで、頭馬鹿になったじゃない。
俺は、昔からずっとお前だけだよ。
キスもしたいし、抱き締めたいし、こうやって手も握っていたい…家族とか兄妹愛じゃない!
沙耶は、俺にとって特別な存在だよ」
「特別!私だって、聖臣も元也も特別だよ…」
そうだよ!特別な存在で、幼なじみなんだから。
「ホントわかってない。
元也は、幼なじみでいいけど俺は、違うから。
特別って沙耶が、幼なじみだからって事じゃない…じゃこう言えば伝わる?」
近くなる距離、真剣な目で見つめると身動きがとれない。
「俺にとって沙耶は、世界で一番大切で好きな子なんだけど」
ニッコリ笑う聖臣に、整理がつかず心も体も熱くなる一方。
「だって、聖臣そんな素振りなかったじゃん…なんかどうしよう?…」
「うん?なんで疑問系?そもそも素振りなんて見せないし、その時じゃないってわかってたから。
それよりも好きか嫌いかで、いいんじゃない?」
手をギュっと優しく恋人繋ぎに変えられ、唇が触れるまでの距離が、あと数センチ。
「っきっ嫌いじゃないよ。
絶対、嫌うとかそんな事あり得ないけど…待って待って!!いきなりだから…」
「じゃ好き?」
「…うん、好き…」
「その間が、まだこっちに向いてない。
気長に待つけど、待ちすぎるのも限界があるんだよ。
早く俺だけを見ろよ。
他所に厳禁!
あと…宮侑と宮治には、関わるな!」
うっんん!!!宮侑と宮治?
稲荷崎高校だよね?
侑君と治君の事だよね?
なんで知っているの彼らの事?
どこかで会った?
「あの…聖臣は、なんで侑君と治君事知っているの?」
その質問に怪訝な顔する聖臣が、不思議でならなった。