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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第3章 目覚める瞳


「あぁ、うるさい奴がくるぞ。

アイツら代わる代わる俺に、LINE寄越してくるんだよ。

お前の近況報告をしなあかんし。

葵からも頻繁にくるもんだから、仕事上煩わしくてかなわない。

今じゃ、グループLINEまで作る始末だ」

面倒くさそうに言いながら、そのLINEを見せてくれた。

ほぼ毎日やり取りしている。

動画も写真もいっぱい添えて、絵文字まで使ってお互いに連絡を取り合ってたんだ。

「アイツらすごく心配していたよ。

明日の朝でて、午後にはこっちに来れるって言ってたからよかったな」

「そうだね、明日は土曜日だしちょうどよかった。

聖臣達は、明日部活あるのか?」

おじさんからの質問に、「ある」と端的に答えた聖臣の顔は、不満いっぱいだ。

「そうか、残念だったな。

どうせ、あの監督の事だ。

一日中走り回されて、ここに来れるのも夕方か?」

意地悪そうに呟く先生に、眉間の皺が濃くなっていく。

噴火直前てところかな?

「聖臣、顔に出し過ぎだぞ。

しっかり部活してこっちに来なさい。

父さん達もそうだったが、努力は無駄にはならない。

全てにおいてそれが到達された時、自分の武器にもなる。

お前自身これからも続けていくなら、将来的にプロの道もありうるだろう?

お兄ちゃんもお姉ちゃんにも言っているけど、後悔しない生き方をしなさい。

元也君もそうだよ。

君たちは、まだまだこの先の未来がある。

なんだって出来るんだ。

迷うことも苦しい事もあるだろうけど、それは決して無駄ではない。

それがあったからこそ、今に続いているんだ。

沙耶ちゃん、君にも同じことを言うよ。

これからが楽しみだ」

にこやかに穏やかに話すおじさんの顔。

捻くれた顔せず真っ直ぐに見つめる聖臣も、その時だけは聞き入っていた。

未来か…なんだろう?ピンとこない。

直向きに部活をしている元也と聖臣が、ちょっと羨ましいかも。

私も何かあったのだろうか?

直向きに向き合える何か?

難しい顔をしていると、頭をクシャクシャされてニッコリと微笑む先生。

「明日は、賑やかになるな。

病室も変わるし、体調が少しでも変だと思ったら隠さず俺に言ってほしい」

『いいね!』と念を押され先生は、お母さんの方に向かっていった。
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