第7章 文化祭② *
聖臣side
顔を上げた沙耶は、アレ?って顔しながら俺を見てくる。
「誰もいなくなっちゃったね、コレいい感じで出来たから聖臣食べて」
そう沙耶は言うと、一切れをフォークで食べさせようとする。
よわ『あ〜ん』して状態だ。
なんか学校でやるのは、ちょっと恥ずかしい。
ジーッと食べてくれるの待っているから、もうやれやれって感じでパクリと一口。
柔らかい生地と程よい甘いブルーベリーがマッチして、コレはコレで美味しい。
「美味しいよ」
その一言を伝えただけで、花のように笑う沙耶。
久しぶりに見た気がする。
そんな風に笑う沙耶に見惚れしまっていた。
心を鷲掴みされるのは、いつも一瞬だ。
「どうしたの?」
沙耶から、俺の頬を撫でるように触れてくる。
そんな風に触れられたら、我慢の限界だ。
花のように笑う沙耶も触れてくる指先も、一人占めしたいと思わせる。
頬に触れた指先ごと奪って、『チュ』と音をたてて引き寄せた唇へ触れる。
真っ赤に染まる沙耶が可愛いくて、もう一度甘いキスを贈る。
離されると少し不満になる。
もう一度、近づく沙耶の唇に優しく触れて、そのままツンツンと舌で小突くと、小さく空いた隙間へ入れてくれる。
中は、さっきのハチミツとレモンの味と甘くてほんのりレモンの味がして、ずっと絡んでいたくなる。
首に手を回して何度も角度を変えて深いキスをすれば、トロンとした目で俺を見てくる。
ここは学校だとか、木崎が戻ってくるんじゃないのかと、色々やばいよな!と思いながらも、理性は解けてコイツを貪り尽くしたくなる。
「うっんん、はぁっ」
沙耶から、甘く吐息が漏れてくると、力が抜けていつもように服にしがみついてくる。
息が出来なくなるほど意地悪をして、どこにいても俺に溺れてしまえばいいのに。
離された唇から銀糸が繋ぎ、艶めかしい色をした沙耶を抱きしめた。
「聖臣…ハァ…ここ学校…」
「あぁ…」
沙耶の肩に埋もれながら終始、自分でも気のない返事をする。
ガタが外れるとマズイ。
ここが何処だって構わないと思ってしまうな。
「続きは、帰ってからするから」
そう宣言しすれば、ワナワナと震える沙耶がいた。