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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


朝練が終わり直ぐに教室へと向かう。

昨日よりか教室への抵抗は薄れ、結衣ちゃんと先生が来るまで雑談を楽しんでいた。

あの後から元也の姿を見ていない。

まだ教室にも来ていないし、やたらと廊下に続くドアへと自然に視線はいってしまう。

チャイムギリギリで元也が入って来ると、こちらをチラ見してきた。

ん?目線…合ったよね?

いつもなら、何か言うはずなのに何も言わない。

横に座っている聖臣は、眼鏡をかけタブレットで小説を読んでいたからあまり気にもしてない様子だし、何か話題を振るべきなのだろうけど、その一歩が出ない。

私達の雰囲気を察した結衣ちゃんが、颯爽と教壇の上に立って今回の文化祭の出し物について、意見交換したいと言い出した。

「何か意見・要望がある人は、挙手お願いします」

「そうだった!この後のHRで決めないといけないから、ちゃんと発言してくださ〜い」

その話が出るや否や、元也もいつもように周りに明るく振る舞う。

違和感?空元気みたいに見えるのは気のせい?

「お化け屋敷がいい」

「執事・メイド喫茶とか?」

「女装・男装なんかもいいね」

「それって、男女逆転ってやつ?」

「面白そう、いいじゃん!」

すごい勢いで意見が交わされる。

でも、聖臣は完全に無視の域。

話すら聞いてないし、結衣ちゃんの事だから、また何かにつけてけしかけてくるとかないよね?

「あっ!そこの眼鏡かけてる人、意見ないの?」

あぁ〜やっぱり、こうなるよね。

結衣ちゃん、ドヤ顔してるもん。

クラスのみんなから、一気に聖臣へと一点集中する。

その熱い視線に大きな溜息ついた聖臣は、眼鏡を外してタブレットから視線を上げると不機嫌な顔が伺える。

地雷を踏んだかと思わせるように、一瞬にしてみんなは青褪めた。

「どれも却下だ!」

「それじゃ決まらないんだけど?じゃ佐久早は、何か案出しなよ!」

開口一番のダメ出しに対してもめげないし、絶対に食い下がらないのもいつもの事。

それも想定済みな聖臣は、眉間に皺を寄せながら思案してる様子。

「単純に儲けとか考えてるなら、カフェとかは?このクラスなら、料理とか得意な人多そうだし」

そう言った先からみんなの視線は、私の方に注がれる。

えーっ‼︎私を見ないで!

目を大きくしていると、横でクスクス笑う聖臣に少しホッとした。
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