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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


「アイツ凄いだろう?あそこからエンドラインギリギリに攻めるなんて、中々出来ねぇよ」

後輩の事を自慢気に言う先輩の話を黙って聞き入りながら、コートを眺めていた。

「沙耶?」

呼ばれて気づいた時には既に遅く、涙が溢れて流れ出していく。

「アレ?何でなのかな?涙が…止まらなっ」

横にいた先輩は、笑いながら幼い子供をあやすように頭をポンポンとして撫でくれた。

「感動した?それって、お前にしてはいい傾向なんじゃねぇの?

それに、アイツのスパイクするところもっと見たいなら、マネージャーになればいいじゃん。

試合の時の方が、もっといいもの観れると思うしな。

どう?やってみる気はないか?」

突然言われた言葉に、吃驚して何も答えれないでいると、傍に来ていた聖臣が手を強く握ってくれた。

「先輩、急過ぎです。沙耶、焦らなくてもいいから。

まぁ、先輩の言う通り沙耶が良ければ、マネージャーになってくれた方が俺も安心する」

「えっ!そうなの?」

「俺達が、部活で遅くなると一人で帰ることになるだろう?

だったら同じ時間に帰るなら、マネージャーやるのもありかもって思うしな」

そうだよね。四六時中一緒にいられるわけじゃないし、マネージャーをしていたらずっとそばにいられるのも確かだ。

「そうだね…考えてみる」

「まぁ、折角だから放課後とか様子見に来いよ。

マネージャーには、俺から説明しておくし、とりあえず見学って事で」

「はい、ありがとうございます」

先輩の推しもあり、放課後バレー部を見学することになって、話が急ピッチに進んでいく。

大丈夫かなぁ?

「玉拾いからかな」

「玉拾い?いきなりハードすぎないか?」

「ボールを拾うだけだよ?そんなにハードなの」

『う〜ん』と考え込み聖臣を凝視していると、横からケタケタ笑う声が聞こえてくる。

「まぁ、白城には、まだ辛いかもな。

今のマネージャーは、ボール拾いとかあんまりしてないぞ」

「はぁ?何言いっているんですか!先輩がさせてないだけでしょ」

「アッハハハ、そうとも言うな」

眉間に皺を寄せて不機嫌な聖臣とは、反対に終始笑顔の先輩と全く対比な表情に、可笑しくなる。

「クスクス、二人とも仲が良いですね」

自然と笑えたような気がしていた。
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