第7章 文化祭② *
元也side
マジ、朝練遅刻~!ヤバイ先輩達集まってるかな?
急いで着替えて体育館に向かう。
でも…聖臣とは会いたくない。
昨日の今日で、気持ち的にもまだ整理なんてついてないからだ。
それでも、交流試合も近いしメンバーにも選出された。
逃げるに逃げられない…。
今朝も聖臣と沙耶を置いて学校に来たはいいが、廊下で会った結衣ちゃんに捕まってしまう。
まさか結衣ちゃんが、こんなに早く学校に来てるとは思わなかった。
挙動不審な俺を不信に思った結衣ちゃんは、俺の後首を引っ張ってズルズルと教室に連行された挙句、事の顛末を話す羽目になった。
散々言われた気はするが、途中から面倒くさくなり半ば聞き逃して、ここに来た次第だ。
溜息をつきながら少し遅れて体育館に入れば、聖臣と飯綱先輩が話をしている近くに沙耶を見つけた。
なんで?沙耶いるの?
疑問だらけな頭は、聖臣が声をかけてる事にも気づかず、そのまま素通りしていく。
「おい!元也俺や沙耶に言う事ないのか?」
やけに低いトーンで聖臣から話かけられる。
当然、朝の事を聞かれてるんだろうな。
「別に…あぁ先に行った事は悪かったよ。別に遅刻してなかったからよかったじゃん」
「そうじゃねぇって!!連絡とかできただろう?沙耶が、お前が来るまで待ってたんだよ」
沙耶が…けどそんな余裕なんて俺にはないんだよ。
胸の中がイライラと困惑でいっぱいで、聖臣と目線すら合わせられない。
「…それは悪かった」
「なぁ、さっきから、お前なんでこっち見ないんだよ」
ボソリと呟いた言葉も、目を合わせないことにも聖臣には不快だったのか、大きな声で俺に突っかかる。
「なぁ、さっきから、お前なんでこっち見ないんだよ」
見れたら苦労しないって!!沙耶にあんな事してたお前に、何を言えって言うんだよ。
「お前大概にしろよ!!昨日から何だよ、不毛とか訳わかねぇ事ばっか言って、答えになってないんだよ。
言いたい事あれば言えよ!!」
…なんだよそれ…俺には何も言わないくせに…。
なんで俺ばっか、そんな事言われなきゃいけないんだよ!
クソっ!!
「…お前にわかるかよ…」
言いたい事も伝えられないないまま、聖臣と反対の方向に向かって走っていった。