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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


聖臣は、キョトンとして先輩は、はにかんで笑っていた。

いつの間にか、先輩とのわだかまりも消えた雰囲気。

「沙耶…目瞑って、体育館行こうか?」

「目を瞑って行くの?」

「あぁ、手繋いでいけば怖くないし、なんだったら抱っこして行ってもいいけど?」

「えぇ!!そっそれは、ちょっと恥ずかしい」

慌てふためいていると、聖臣も先輩も釣られて笑っていた。

「白城って可愛いなぁ」

「はぁ?!」

わっ聖臣、怒っているって言うか焼きもち?

普段あんまり見せない顔、私を隠すように先輩から引き離す。

「お前なぁ〜ハァーもういい!佐久早行くぞ」

結局、聖臣から目を瞑るよう即され、手を繋がれながら進んでいく。

「着いたよ」

聖臣の声で一瞬体が強張るけど、『大丈夫だから』と背中を押してくれて少し勇気が持てた。

一歩踏み入れると体育館の独特の匂いがする。

「もう少ししたら椅子があるから、そこで座って待ってろ」

椅子まで誘導されると、ガサガサと何かを探している様子。

「着替えてくるからコレ羽織ってて、少しは寒くないと思うし。

後、コレつけるな」

ふわっと肩に羽織られた服の匂いから、聖臣の匂いがして少しホッとする。

それに、『コレつけるな』と言われ耳にあてられのはヘッドホンで、手には携帯を持たされている。

しばらくすると、最近聞く流行りの曲が流れてきて心が弾む。

『行ってくる』と頬を人撫でして、聖臣は去って行った。

ここまでするって事は、私が一人になるからだよね。

聖臣に気を使わせてしまった。

普段なら服とか貸す事はあまりしないのに、凄く慎重だ。

しばらく待っていると、キュッキュッと足音が音楽と一緒に聞こえてくる。

その内、話声も混じってきてなんだか場違いなところにいるんじゃないかって思えてしまう。

傍からみたら、自分より大きな上着を着てヘッドホン聞きながら目を瞑っているから。

「アレ?あそこにいるの白城?」

「目瞑っててもめっちゃ可愛い!でも、なんであんなとこに座ってんの? 」

「見学とか?」

「おい!お前ら散れ!!」

「げっ!飯綱」

飯綱先輩?気配が近づいてくる。

「大丈夫か?佐久早ならもうすぐ来るからな」

先輩にも気を使わせてしまっている。

けど、目を瞑ったまま『はい』と答え聖臣が来るのを待っていた。
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