第7章 文化祭② *
バタバタと動きながら、黙々と準備する。
朝の聖臣とのやり取りを思い出しながら、顔が火照ってくる。
普段から甘い聖臣だけど、いつも以上に甘やかしてくれる。
過保護なところは、多々あるけど。
告白されてからは、聖臣とキスを何回もしている。
聖臣が、やけに大人っぽくてカッコイイと思えてくるし、極めつけに夢でキっキスしてるところを見るなんて。
心臓が、今だバクバクいってる。
だって、あんな聖臣は抱かれている時しか見れない。
獲物を狙うような扇情的な視線に見とれて、唇に触れるまで動けない。
触れた後は、荒い吐息と熱っぽい目に浮かされて、全てを受け入れたくなる。
『猛獣』って言葉がぴったりだと思える。
絡まる舌と、聖臣の指が絡まって秘部が疼くのが分かる。
もっと…って叫びたくなる。
『俺って節操なしなの?』って聞いてきたけど、それは私の方じゃん。
「う~ん、もう~」
頭を抱えていると、後から笑い声が聞こえてくる。
「クックククっ、フっ何やってんの?」
「聖臣!まだ準備終わってない」
「遅いから迎えにきたのに、そう言うこと言うわけ?」
「あぁ~待って、今行くから」
髪が決まらないってブツブツ言っていると、聖臣から頭を撫でられる。
「そんなに、髪型気になるなら横に束ねて、シュシュすればいいんじゃん」
「そうする!確かここに黄緑色のシュシュがあったはず」
「あぁ~去年一緒に買いに行ったやつ?」
「そうそう、制服と合うかと思って、聖臣が買ってくれたでしょう?あった!」
聖臣の方に駆け寄ると、眩しいくらいの笑顔で私を見ていた。
まるで、侑君の笑顔と被って驚いている。
聖臣は、あまり喜怒哀楽を表現するのは苦手なんだと思う。
大概不機嫌な時が多く、必要以上に他人に触れるのを嫌う。
だから、一定の距離感が大事な人だと思っていたけど、ただし私や元也は例外で、触れていても何も言わないし嫌がったりしない。
それでも、笑う事なんてあまり向けられたことが無いから、ギャップ萌えしてしまう。
他の女子にも向けられたらヤダな。
「ん?どうした?体調悪くなったか?」
「大丈夫だよ」
笑顔で言うと手首を掴まれ、聖臣の腕の中に引き寄せられる。
「沙耶、ちゃんと言って!どうした?」
聖臣の優しい声に包まれて、縋りついてしまうんだ。