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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


聖臣side

沙耶は、フラフラの状態でリビングに入っていく。

体を支えながらソファに凭れさせて、甲斐甲斐しく世話をする。

病み上がりの沙耶に無理をさせた。

今までにないくらい、歯止めが効かない。

あんな沙耶を見たら止まらないって分かっていたのに。

どんどん魅力的になって、誰かに取られるんじゃないかって怖い。

一層誰にも見せず、囲えればいいのに…。

『そんなに心配なら、鎖でもつけて監禁したらどうだ?』

ふと、征兄に言われた言葉を思い出す。

「フッ、アハハハ…なんだろうな…繋げた体よりも本当は、沙耶の心が欲しいだけなんだ」

フワフワして今にも眠りそうな沙耶の頬に触れながら、自嘲気味になる。

長い艶のある髪を櫛でとかして、ドライヤーをかけてやると気持ちよさそうにしている。

俺が、ドライヤーをかけている間に、スヤスヤと眠りについてしまった。

「ここで寝たら、風邪引くぞ」

沙耶の体を揺すってみても起きない。

朝まで起きなさそうだと判断し、沙耶を抱き抱えて部屋に運ぶ。

ゆっくりベットに横たえて布団をかけると、深い眠りについた沙耶を人撫でして部屋を後にした。

携帯を見れば、もう10時近く。

若利君に連絡をとろうと思っていたけど、あっちは白鳥沢の寮だ。

何かと規則もあるだろうし、明日の方がいいかと考えているとLINEが入る。

『今大丈夫か?』

若利君?

「ごめん、沙耶の体調が悪くなって連絡できなかった」

『そうか…彼女は、大丈夫なのか?』

「今は落ち着いて眠ってる」

沙耶の事を気にしてくれているみたいだ。

『光もよく急に体調が悪くなったり、倒れたりしたんだ。

フラッシュバックが起きる事が多くて、酷い時は急に倒れたり過呼吸になったりしていた』

フラッシュバック?過呼吸になったって!今日の沙耶みたいだ。

「若利君に、折り入って頼みがあります。

雨宮先輩に起こった事と、その対処方を教えてもらえませんか?」

しばしの沈黙後、若利君から返事がくる。

『今度の文化祭に来るよう光から言われている。

その時、時間をくれないか?』

願ったり叶ったりだ。

「いつでも、若利君に合わせます」と入れ、若利君と話す算段をつけた。
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