第7章 文化祭② *
聖臣side
風呂の準備をするため、元也いる部屋に行ったがどこにもいない。
鞄もなかったから家に帰ったと判断し、俺は、冷えた体を温めるために、沙耶ともう一度風呂に入ることにした。
「何もしないでね」
開口一番に釘を刺される。
「何で?」
「何でって、私病み上がり!!」
「それは、お前次第だろう?」
意地悪く言えば、真っ赤になって俺の胸を叩いてくるけど、猫パンチ程度の力しかないから笑えてくる。
嫌なら本気で拒まないといけないって、わかんないのかな。
「はいはい、お姫様入るよ」
沙耶の手を引いて、熱いシャワーを浴びて体を洗い流す。
俯いてばかりいる沙耶の顔が見たくて、優しく呼ぶ。
「沙耶、こっち向いて」
「やっやだ…今はいい」
「何で?」
「はっ恥ずかしいから…」
耳まで真っ赤になって、可愛い。
「恥ずかしい?昨日は、いっぱい抱いたし、今朝も一緒に風呂入ったけど?」
「それとこれとは、違う」
「どう違う?」
沙耶は、問いかけた質問も答えられないみたいで、ウルウルした瞳で今にも泣きだしそうだ。
「あ~それダメなやつ」
本当ソレ、ダメなやつ。
好きな子にそんな目で見つめられてたら、止まらない。
『沙耶』と呼んで、そのまま強引に唇を奪う。
何度も沙耶とキスをしたけど、こんなにも奪うキスをしたのは初めてだ。
余裕がないって言うのもあるけど、好きな子に焚き付けられれば、獣に成り下がる。
「聖臣…っうんんっ、あぁはぁ…」
舌を入れ深くなるキスは、息をするのも面倒になる。
でも、あんまりすると沙耶が、逆上せるか。
「今のは、沙耶が悪い、俺は悪くない」
「理不尽!聖臣のバカ…」
「だったらそんな顔するなって、男を煽って焚き付けるな」
「そっそんな事してないもん」
ぷいっとそっぽ向く沙耶が、可愛くて頬に触れるキスをする。
「怒るな!体、洗ってやるから」
「大丈夫だよ、自分でやる」
「病み上がりって、自分でも言ってただろう?俺が、ちゃんと看病してやるから、綺麗に洗ってあげる」
スッポンジを片手にボディソープを泡立て、抵抗する沙耶の唇にキス繰り返しながら、ふやけて力が入らなくなった体を堪能し、洗っていった。