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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第7章 文化祭② *


元也side

沙耶が、倒れてから不安で仕方がなかった。

あんな状態になった沙耶を見ても、体が動けず掛ける言葉さえも詰まってしまった。

俺とは反対で、どんな状況下においても動ける聖臣に嫉妬する。

不甲斐ない自分にイライラしながら、部活を終え聖臣と一緒に帰宅した。

この日ほど征兄が、非番でよかったと心底安心する。

スヤスヤ眠る沙耶をドア越しに確認したところで、ほっと胸を撫で下ろした。

「沙耶、落ち着いているね」

「そうだな、元也、取りあえずうがいと手洗いしろ!!」

相変わらずそう言う所は、ブレないなぁ。

「へいへい~」

俺のおかんか!と思うけど、こんな事聖臣に言ったら、2倍説教喰らうから言わないけど。

そうだ!宮兄弟に連絡しておかないと。

2コールで宮治のほうが出てくれた。

「遅くなってごめん!沙耶、無事に落ち着いた」

『そうか、よかった』

治の方は、深い溜息をつき安心した声だった。

その横から割り込むように、侑が携帯を取り上げているようで、電話越しから二人の揉めてる声が聞こえてくる。

元気だなと思いつつ、侑の様子が変わる。

『…あん時、怒鳴ってすまんかった!!」

侑から謝らて吃驚したが、あんな状況になってたらどうしようもない。

俺達は、近くにいるから沙耶を助けてやれるけど、宮兄弟はそうはいかないから、不安でしょうがなかったと思う。

「そんな事ないよ。その激があったから、早く対処できたし感謝してる」

『そんならえぇわ、交流試合楽しみにしとる。

佐久早君に覚悟しときって、伝えておいてな。

ほんま潰すきでいくから、元也君もやで!!』

「それは楽しみだな、聖臣に伝えておくよ」

電話を終え、沙耶の部屋に来ると征兄の話声が、聞こえてくる。

ドアの隙間から征兄が、沙耶の服のボタンを外そうした。

傍にいた聖臣が、一瞬にして青筋をたて俺と同時に部屋のドアを強く開ける。

『「離れろ!クソ兄貴」』

寝ぼけた沙耶とヤレヤレと見下す征兄の顔。

まさか、沙耶を狙ってたりする?イヤイヤ…。

「征兄、今の何?一歩間違えたら犯罪だからね」

露骨な表情を出す聖臣が、一番怒っているように見えるけど、冗談じゃないって思えるのは俺も同じだった。
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