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触れる度に愛を知る【ハイキュー】

第6章 文化祭 *


聖臣side

沙耶が、髪や体を触って心配そうに眺めてくる。

「聖臣の体、冷えちゃったね…。

私もお風呂入ろうと思ってたから、一緒にお風呂入って欲しいんだけど…ダメかな…?」

今度は、沙耶からのおねだり。

いつもは、こんな事言わないのに不安なんだろうな。

「わかった!風呂の準備してくるから待ってろ。

元也もまだ、部屋にいるかもしれないから、帰れって言っておく」

「あっ!待ってそうだよね、元也いるもんね。

私、何言ってるんだろう!小さな子供みたいに、一緒にお風呂入ろうなんて…恥ずかしいね」

てへへと笑う沙耶は、無理をしているようでほっとけない。

髪をそっと撫でて、軽くキスをする。

「なんで?朝も一緒に入ったじゃん、今さらだろう?

それにもう沙耶の体は、どこに触れたら可愛く鳴いてくれるか、全部知ってる。」

「あっ、もう聖臣!!言わないでって、恥ずかしいだから」

いつもの調子でからかうと、沙耶の顔は、真っ赤に染まる。

そう言う所が、可愛いんだけど。

クスっと笑って、『待ってろ』と深いキスをして黙らせる。

「うんんっ、はぁっ」

トロンとした瞳で見つめられると、自制がきかなくなるな。

「可愛い、沙耶」

頭を人撫でして笑っていると、恥ずかしそうにくっついてくる。

不安を隠すために、お互い戯れあって抱き合い、俺に甘えてくれる沙耶が、愛しくて堪らない。

この時は、沙耶が無条件で甘えてくれることに、単純に浮かれていたんだと思う。

その一部始終を元也が見ていたなんて、この時は知らない。

何もなかったように、いつも通り3人で登校するはずだった。

いつもと変わらない風景、俺達はそうしてたはずだ。

なのに…。

この日を境に元也と俺が、噛み合わずプレーに影響するなんて考えてもみなかった。

交流試合まであと2日…。

俺達の間に変化が、訪れていた。
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