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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第7章 はだかのままのヴィナス



ユウはバルガスに走り終えた事を告げ、そろそろと2人の元に近づく。
言い合いをしている彼らに「あの……」と声をかければ、不思議なことに言い合いはぴたりと止まった。

「おや、ユウさん。どうかしましたか?」

豚の丸焼き状態でアズールがにこりと笑う。
アズールはユウの膝辺りをふわふわと浮いていた。
正直、飛ぶより立った方が目線の位置が高いのではと思ったが、勿論そんなこと口には出さない。

「いえ、あの……私は走り終えたので一応声をかけて行こうかなと……」

「あぁ、それはどうもご親切に」

嫌味がたっぷり含んだその言葉に、ジャミルが「おい、アズール」と咎めるが、ユウは話しかけた事を後悔した。
一応こうなることは予想していたのだが実際に言われると心にくる。

しかしユウもNRCの生徒。
これで帰ってしまったら彼らに落ち込んだことがバレてしまうかもしれない。それに言われっぱなしは癪である。と、ユウは努めて笑顔でもう一度アズールに話しかけた。

「アズール先輩。私は飛ぶことができないので、たった数十センチでも飛ぶことが出来るアズール先輩が羨ましいです」

綺麗な笑顔のユウに、アズールが固まる。
そしてジャミルは吹き出した。
まさかユウがそんな反撃に出るとは2人とも思わなかった。
アズールがハリセンでの攻撃だったとするならば、彼女の反撃は包丁である。
そのくらいアズールの胸にグサッときた。





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