第7章 はだかのままのヴィナス
「フロイドのあの浮き沈みの激しさ。どうにかならないのか?部活でも困ってるんだ」
「無理ですね。フロイドとはエレメンタリースクールからの付き合いですが、彼の行動は未だに理解出来ません」
「お前、よくそんな奴と一緒にいられるな」
ジャミルの呆れたような声に、ユウは首を縦に振った。
まったくもってその通りだと思った。
それに対しアズールは「はぁ…」と相槌を打つと、
「まぁ、フロイドよりジェイドの方が何考えてるか分からないので」
と、言った。
ジャミルとユウは顔を見合わせる。
お互い口には出さなかったが、「そういう事じゃない」と心の中で思った。
暫くするとバルガスがやって来た。
遠くに居てもわかるそのムキムキの筋肉に、アズールは「本当に暑苦しい人ですね」と呟く。
「バルガス先生がいるとその場の気温が3度は上がるからな」
ジャミルの言葉にユウは思わず吹き出した。
「よし、集まっているな!これより補習を始める!」
バルガスが3人と元にやって来た。
その場の気温が3度上がる。
「ユウはグラウンドの外周を10周走る。
アーシェングロットは飛べるまで補習は続くからな!バイパーはアーシェングロットの指導をするように!」
ジャミルは思わずといった様子で頭を抱えた。
アズールが飛べるようになるまで補習が続く?
そんなの永遠に補習が終わらないって事じゃないか!
ジャミルのその様子を見て、アズールが何かを察したようで「ジャミルさん、貴方失礼ですよ」とメガネのブリッジを上げた。