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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第3章 コバルトブルーの怪物を飼っている 2



「フロイド、正確には何て言われたんです?」

扉の前に突っ立ったままだったフロイドがソファに近づく。そしてジェイドが座っている向かい側のソファ、アズールの隣にドスンと勢いよく腰掛ける。驚いたアズールがティーカップを持ちながら少し浮いた。

「好きじゃないって……恋愛的な意味では好きじゃないって」

「あぁ、なるほど」

ジェイドは納得がいったと頷く。
そしてまぁそうだろうな。と、思った。
ユウはフロイドに話しかけると毎回エビのように肩を揺らす。明らかにフロイドに怯えているのだ。
フロイドはそんな彼女がまさか自分のことを好きだと思っていたのか。

「フロイド貴方、ユウさんが自分のことを好きだと思っていたんですか?」

「は?」

驚いたアズールが思わずといったように声を上げた。
そしてひとつ咳払いをすると、「失礼」ともう一度紅茶を啜った。

「だって赤い糸付いてるって……」

フロイドが口を尖られる。
アズールはチラリとジェイドを見ると、やれやれといった様子でことの成り行きをアズールに説明した。


説明を聞き、アズールは呆れる。
勿論フロイドにだ。
そして彼は眼鏡のブリッジを持ち上げるとジェイドのかわりに説明を始めた。

「赤い糸は"いずれ結ばれる"者同士の小指についていると言われていますが、だからといって糸がついているからその人が好きという訳ではありません。そして正確には"いずれ結ばれる"という言葉の前に"運がよければ"という言葉が入ります」

フロイドはアズールを見ない。
アズールもまたフロイドを見ていなかった。
2人とも目の前に座るジェイドを見ていた。
ジェイドは、「何故2人とも僕を見るんでしょう」と内心で思った。




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