第14章 夢みていたのおとぎ話の世界 2
ユウが学園長室から食堂に行くと、皆んなに囲まれた。
リドル、トレイ、ケイト。
ラギー、ジャック。
アズール、ジェイド。
カリム、ジャミル。
ヴィル、ルーク、エペル。
何故もっと早く言わなかったと怒る者。
既に泣き出しそうな者。
ただ複雑そうな表情を浮かべる者。
様々であった。
ヴィルがユウの頬を抓る。
痛がる彼女に「馬鹿な子ね」と小さく笑うと、「いい?」と声を張り上げた。
「アタシがいないからって、トレーニングをサボったりするんじゃないわよ。
次に会った時、今より美しくなってないと承知しないから」
ヴィルの言葉は誰よりもユウに力をくれる。
ユウは「はい!」と大きく返事をすると、ジッとヴィルを見つめた。
彼が視線で彼女の言葉を促せば、ユウは少し恥ずかしそうに「ヴィル先輩に、抱きついてもいいですか?」とヴィルのファンが聞いたら卒倒しそうなことを聞いた。
実際、ヴィルのファンではないにしろ、その場にいた者達は「え"!」と声を上げる。