第14章 夢みていたのおとぎ話の世界 2
植物園。
「私初めてここに来たときに、レオナ先輩の尻尾ふんじゃって……。
あの人に殺されるんじゃないかと思った……」
「大袈裟なんだゾ」
「いやいや、本当に凄い怖かったんだから!」
食堂。
「食堂といえばやっぱりシャンデリア事件だよね。
ドワーフ鉱山に行って怪物と戦ったり、私の世界じゃ考えられないことばっかりだったけど、このことがなかったらきっと私たち仲良くなってなかったと思う」
「あの時はホントに大変だったんだゾ……
最初はユウのことなよなよした弱っちいヤツだと思ってたけど、ドワーフ鉱山でちょっと見直したんだゾ」
中庭。
「ここで、この場所で初めてフロイド先輩とジェイド先輩に会ったよね。
凄く背が高くて威圧感あるし、明らかにヤバそうな雰囲気で怖かったな」
「思わず走って逃げたんだゾ……」
「私にとってここは……凄く思い入れのある場所」
厨房。
「……ホリデーの時、ここでジャミル先輩に会ったよね。それでそのままスカラビア寮へ行って……大変だったなぁ」
「大変どころの騒ぎじゃねぇんだゾ!
オレ様は二度と砂漠の行進はしたくねぇんだゾ!」
「でも、色々あって大変だったけど……今振り返ると私は良かったなって思うよ」
ユウとグリムは一通り教室や部屋を回り、そして最後に鏡舎にやって来た。
鏡舎に着いた頃には日が傾きはじめていた。
「ここは、初めてデュースと会った場所だね。
優等生みたいな見た目だけど、エースを捕まえる時大釜を出したのは驚いたなぁ。普通ロープとかじゃない?」
「デュースはアホだからしょうがねぇんだゾ」
グリムの呆れるような言葉に、ユウは「あははっ」と声を出して笑った。
デュースが無精卵から卵が孵ると思っていたのを思い出したからだ。