第10章 私のための無垢なドレス 3
「前から思ってるさ。特に最近は部活でエースがよく君の話をしている。
"ユウの周りに最近変な男たちが寄ってきて追い払うのに苦労してる"ってな」
「ははっ。何ですかそれ」
そんなのないですよ。
と笑いながら手を振るユウ。
しかし実は彼女が気づいていないだけで、最近そういう輩が増えていた。
例えば、わざとぶつかろうとする奴。
そういう者には、元ヤンの経験からかデュースが目敏く気づき、ユウがぶつからないよう手を引いていた。
「成る程。確かにこれは苦労する」
「どういう意味です?」
額に手を当てるジャミルにユウは首を傾げる。
ジャミルはチラリと彼女を見ると、「いや、何でもないさ」と首を振り、別の話題を振った。
「次は何の授業なんだ?」
「錬金術です。私、錬金術苦手なので……いつもクルーウェル先生に怒られないかビクビクしてます」