第9章 私のための無垢なドレス 2
クルーウェルを追ってついた先は彼の研究室だった。
「入れ」と促され、ユウはいそいそと部屋に入り、これまた「座れ」とソファを指されたのでいそいそと腰掛けた。
向かい側のソファにクルーウェルも腰掛ける。
ジッとクルーウェルはユウの顔を見つめる。
いつもならすぐに目を反らしてしまうユウだが、今の彼女は化粧をしてる。つまり最強な状態なのだ。
ユウは視線を反らすまいと同じようにクルーウェルを見つめるが、しかし化粧をしたところで16歳の小娘には彼の色気に勝てなかった。ユウはそろりと視線を反らす。
「ブルーベースの冬」
クルーウェルは唐突にそう言った。
何のことだか分からず、ユウは「え?」と声を漏らす。
「お前の肌の色だ。そのローズのチークとグロスが良く似合っている」
自信満々にそう言った彼は、そのまま話を続ける。
「お前のドレス、俺が用意してやろう」
「えっ!?」