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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第9章 私のための無垢なドレス 2



ユウは学園長室へと辿り着く前に、クルーウェルと遭遇した。
すれ違うときにペコリと会釈をすれば、「そう言えば仔犬」と、クルーウェルに呼び止められる。
「は、はいっ」と返事をしながら、ユウは背筋を伸ばした。

「ジャミル・バイパーに誘われたようだな」

「は、はい。本当に光栄な事に……」

どうやらその事は教師にも広まっているらしい。
ユウは頬を染めた。

「着て行くドレスはもう買ったのか?」

「いえ、まだ全然……。これから学園長にドレスのことで相談しに行こうと思っていたところで」

「やはりな」

クルーウェルは呟くと、くるっと踵を返しユウに視線を向けた。

「ついて来い、仔犬」

スタスタと歩いて行くクルーウェル。
ユウは呆然とその後ろ姿を見つめるが、すぐに意識を取り戻し、慌てて彼の後を追った。

クルーウェルの後ろを歩きながら、ユウはふと気づく。
そういえばここ数日フロイドの姿を見ていない。前はあんなに毎日顔を見ていたのに、いったいどうしたのだろうか。
もしかして具合でも悪いのか。と、ユウは心配になる。
毎日ニコニコと笑みを浮かべユウの前に現れるフロイドに、最初は驚いていたユウだが、今ではそれが少し楽しみになっていた。
エースとデュースは毎回嫌そうにしていたが、ユウは野良猫が懐いてくれたような気分でいた。
それがなくなってしまうのは、少し寂しいな。と、離れてしまったクルーウェルとの距離を縮めるため小走りになりながら思った。




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