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【ツイステ】引き合うさびしさの引力

第9章 私のための無垢なドレス 2



フロイドは授業が終われば、足早に教室から出ると、1年Aクラスへと向かった。
ユウにダンスパーティーに一緒に行こうと誘う為だ。

生徒たちは皆んなダンスパーティーのことで頭がいっぱいのように見えた。
特に女子生徒は全員そうだ。
女子は皆んな何人かで固まり、クスクス笑ったり、ヒソヒソ囁いたり、男子生徒が側を通り過ぎるとキャアキャア笑い声を上げたり、パーティー当日何を着て行くかを夢中で情報交換していたり。
フロイドも女子生徒とすれ違った時、チラチラとした視線と黄色い悲鳴を上げられたが、彼にとってそんな事はどうでもよかった。

丁度フロイドが1年Aクラスの教室に着いた時、ユウたちAクラスの生徒も教室に戻って来ていた。
フロイドが早速ユウに声をかけようとした時、エースの声がフロイドの耳に届いた。

「いやぁ、でもまさか、ジャミル先輩がユウを誘うなんてなぁ。しかも皆んなの前で。
映画のワンシーンかよ」

その声は決して大きいものではなかったが、嫌にフロイドの耳に響いた。

「……エース、もうからかわないで」

少し照れたようなユウの声も聞こえて来る。
その声を聞いて、フロイドは悟った。
ユウはジャミルの誘いにOKしたのだと。

苛立った憤りがじりじりと胸の奥に食い込む。
何故、ユウはジャミルの誘いにOKしたのか。
自分が彼女のことを好きだと知っているのに。

ユウがエースとデュース、グリムと話しているところを、フロイドは離れたところから見つめる。
可愛らしい彼女が今は憎くて仕方なかった。





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