【ヒプマイ】We are not siblings.
第1章 cross the line
かあっと顔が熱くなり、思わず目を逸らした。私が一兄を慕う眼差しは一方的で、一兄は違う眼差しで私を見ていたの?
「ごめんな、。もう、嘘はつけねえ」
一兄は私の布団に入ってきて、首筋に顔を埋めた。逃れようと思っても、両手首をシーツに押しつけられて、逃げることは出来ない。
「いやっ、一兄……っ」
足をジタバタさせると、一兄が自分の両脚で挟むようにしてしっかりと固定されてしまった。首筋を上から下までに沿うように、生暖かく柔らかい唇が伝っていくと、思わず声を漏らしそうになってしまう。
「っあ……」
「我慢しなくていい、もっとの声が聞きたい」
「そ、んなっ」
鎖骨の辺りまで唇が降りてくると、いきなり強く吸われ、痛みに肩がびくっと跳ねた。
「やっ、そこは」
「が俺のものだっていう証を、残しておきてぇんだ」
何度も鎖骨の辺りを吸われ、鈍い痛みがじんと体を襲う。
「だめだよっ、こんなこと、今ならゆるすから、お願いっ」
懇願しても一兄は止める気配がなかった。一兄は掴んでいた私の両手首を、頭の上へと移動させ、片手で押さえつける。もう片方の手は下に降りていったかと思うと、カチャッという金属音という音と共に、一兄のズボンに巻かれていたベルトを引っ張り出した。
「それで、なにするの」
「痛い思いはさせない。ただ、俺が自由に動けないから一時的に縛らせてもらう」
一兄は私の両手首を掴んでいた手を離し、するするとベルトを巻き付けていく。
「優しくする。最初はくすぐってえかもしれないが、だんだん気持ち良くなってくるから」
そう言って一兄は私の胸から腹部までゆっくりと指でなぞっていく。
――私と一兄の歯車はいつから狂っていたんだろう。16歳の私でも、これから何が起こるかは何となく想像がつく。血のつながりはなくても兄妹として接してきた兄に、私は犯されるんだ。