【ヒプマイ】We are not siblings.
第2章 nobody knows (1)
「なあ……、挿れて良いか」
囁き声に体が熱くなって、私は息を吐く。私に判断を委ねようとするなんて、一兄はずるい。私は良いともやだとも言えなくて、一兄の首の後ろに腕を回して、肩に額を乗せた。
「一兄とこんなことしていいのか、分からない。でも、一兄に触られると、体が自分のものじゃないみたいに……なるの」
肩に掛かる紐を下ろされ、露わになった肩に一兄は吸い付いた。最初は優しかった吸い付きは、鈍い痛みを感じる吸い付きに代わり、そのまま舌が首筋を伝って上がってくる。
敏感になって震える体を離すと、人差し指を唇に当てられ、その後またキスをされた。
「もう俺たちは、一線をこえたんだ。兄妹じゃない。後戻りなんてできない」
1回目に私が思ったことを、一兄は口にした。そんな風に言われたら、もう断れない。体の疼きを、満たして欲しい。
「挿れていいか?」
もう一度同じ質問をされて、私は首を縦に振った。一兄はポケットから銀色の袋を取り出すと封を切って、中から平べったいゴムのようなものを取り出して、私に渡す。
「これを、俺のここに付けて欲しい」
ベルトを外す金属音が聞こえたかと思うと、一兄はズボンと下着を膝くらいまで下ろす。上を向いて硬くなっているソレの先端にゴムを当てると、私を見た。
「コンドーム、って知ってるか」
私は首を横に振った。児童養護施設で育ったし、中学校でもそんなことまでは習わなかったから。
「こうして、付ける。お前はまだ高校生だから、ちゃんと避妊しないと俺もセックス出来ない。この間は勢いでやっちまったが、これからはお前を一杯抱くから、ちゃんとしておかないと思ってな」
手ほどきされながら、私は一兄のソレにコンドームを付けると、一兄はふっと口許を緩めて、私の頬を撫でた。