【ヒプマイ】We are not siblings.
第2章 nobody knows (1)
一兄は私の髪の毛をゆっくり梳くように撫でた。
「すげえ、良い匂いがする。この匂いを嗅いでるだけで、勃っちまいそう」
ゆっくりと顔を上げた一兄は、私を見下ろした。暗がりで表情は見えなかったけれど、ふっと唇が近づいて来て、私の唇に一瞬だけ重なった。
「んんっ」
「……お前に癒やして欲しい」
たちまち、私の鼓動が早くなっていく。私はこのまま、一兄に、あの時のように抱かれるのだろうか。
思っていることが実現されるかのように、一兄は寝間着のボタンを一つずつ外して、ブラトップを露わにした。
「お前が欲しくて、仕事があんまり手に付かなかった。早く帰りたかったのに、思いのほか時間がかかっちまって」
指先が鎖骨をなぞる。背筋がぞくりとして、私は腕で口許を隠した。
「今からするの?」
「ああ。あの時みたいに、やらしい顔が見たい。あの顔がずっと脳裏に焼き付いて、振りほどこうとしても、離れないんだ」
ブラトップをたくし上げられて、胸の膨らみの突起に吸い付かれる。
「っあ、だめっ」
「そうやって嫌がるところも、堪らなく愛しい。もっと俺を欲しがれよ」
そう言って吸い付かれていない方の突起を掴まれて、指の腹で弄られる。私はそれだけで、たちまち興奮していく。
「今日から、二郎も三郎もいねえ。お前を好きなだけ抱ける。一時だって、離したくない」
また唇が重なる。最初は下唇をついばむように、それが段々と深くなって、ゆっくりと舌を絡ませる。口付けだけなのに、いけないことをしてるって分かってるのに。