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【ヒプマイ】We are not siblings.

第2章 nobody knows (1)



今日から3日間、家には私と一兄しかいないことになっている。理由は、二郎兄と三郎の修学旅行がたまたま重なったから。

二郎兄が旅行直前まで荷造りをサボっていたせいで、当日の朝になって「やべえ、あれもこれもねえよ!」と騒ぎだし、家の中がてんやわんやになってしまった。だから、1日目の朝は一兄と二人きりになることはなかった。

私が学校から帰っても、一兄は萬屋ヤマダの仕事で不在にしていた。


「一兄、居ないんだ」


あんなことがあって、一兄に対して気まずい気持ちを抱えていたから、不在にしていることが分かってホッとした。

家に戻り、私は一兄と私の分の料理を作って、自分の分は食べ、残りは冷蔵庫にしまった。それから、いつも通りお風呂に入り、いつも通りテレビを見て、いつも通りの時間に就寝した。

――でも、夜中に目が覚めると、いつも通りじゃないことがあった。枕元に、一兄が屈んでいた。目覚めたのは、唇に柔らかいものがあたったから。


「一兄?」


一兄は黙ったまま私の布団に入ってきて、私に覆い被さると私の顔の横に、顔を埋めた。


「……疲れた」


確かに声は疲れて、どこか掠れている。私はどうしたら良いか分からなくて、とりあえず背中に手を回して、トントン、と遠慮がちに叩いてみる。


「おつかれさま」
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