【ヒプマイ】We are not siblings.
第1章 cross the line
今まで誰も受け入れたことのない、そこに、一兄が入って来る。何かがはじけた音がして、私はあまりの痛みに拳をぐっと握り締めた。
「最初だから、むりもねえよ……でも、お前の中、締め付けてきて、すぐイッちまいそうだ」
はあっと深く息を吐いて、一兄は私の頭を何度も撫でた。
「これで、はもう俺のもんだ。誰にも渡さねえ」
手首に巻かれたベルトが解かれ、私の腕は自由になった。どこに持っていけば良いか分からなくて、目許を隠すように両腕を重ねた。
「動くから、ちょっと我慢してくれよ」
中に入ったソレが、少しずつ前後に動きはじめる。でも、どうしても痛くてつま先に力が入ってしまう。
「力んでるな……はあっ、その手、俺の背中に回せ、痛かったら掴めば良いから」
すがるように腕を回し、一兄が動く度に私は背中をぎゅっと掴む。話す余裕がなくて、呼吸するだけで精一杯だった。
少しずつ荒くなっていく一兄の呼吸音が、鼓膜を震わせ、聴覚を通じて頭の中も一兄で一杯になっていく。
なんども律動が繰り返されていくうちに、中がほぐれていき、痛みが和らいでいくのを感じた。
「ッ…、少し良くなってきたか」
「…っ、うん……、わたし、なんか、自分じゃないみたいっ」
「そうだな、今まで見たことがないくらいスケベな顔してる」
「……っ」
痛みが和らぐ代わりに、どんどん快楽の波が襲ってくる。本当に兄とか妹とかどうでも良くなっていって、私はただ一兄が欲しくて、背中に回した腕を抱き締めるように包み込む。