第7章 Unanswered letter
次に飛んできたのはペットたちのカゴ。レイとヘドウィグのカゴがこちらに向かって飛んでくる。自身はなかったが、どうにかカゴをキャッチすることが出来た。カゴを覗き込むとレイはチロチロと舌を出していた。どうやら無事のようだ。
荷物を運び急いで大広間へと向かう。既に多くの荷物が並んであり、私たちが遅れて到着したことは一目瞭然だった。制服に着替える間もなかったので、私服のままだが致し方ない。
ウィーズリー家の車は私たちと荷物を放り出したあと、ハグリッドの小屋の方へ走っていき、森の中へと消えていってしまった。
「よく見ておくんだな。ホグワーツで過ごす最後の晩かも」
階段を登りきったところには、なるべく会いたくなかった人がいた。そのまま、またなるべく会いたくなかった人のところへと連れていかれる。薬品の匂い、綺麗に並べられた数々の瓶。
「少なくとも7人のマグルに目撃されてしまった」
机の前でスネイプ先生からお説教をいただく。ロンが口を開くと、それが気に食わなかったのかさらに口調を強めるスネイプ先生。
「言っておく。もしお前たちがスリザリンの生徒なら、今夜この場で家に送り返している!そして…」
『でも私たちグリフィンドールです』
「……なんだね?」
『私たちはスリザリンではありません』
荒々しい口調が止み、落ち着いたものになる。決してスネイプ先生の怒りが収まったわけではない。じぃっとこちらを見る黒い瞳。逸らすことができずにいると、この場に似合わない優しい声が聞こえた。
「の言う通りじゃ」
白く立派な髭を生やした校長先生と、黒く尖った帽子を被る副校長先生。2人の登場に緊張が少し解ける。
「ここはグリフィンドールのマクゴナガル先生が、決断をすべきじゃろう」
「すぐに荷物を」
「どういう意味です?」
「僕ら退校処分でしょ?」
「今日ではありません」
なんとか退学は免れた。とは言っても詳しいことは分からないが、いくつもの規則を破ってしまったのは間違いないので、家族への通知と処罰があるらしい。またあの森へ行くのはごめんだが、それでも退学よりはましだ。