第7章 Unanswered letter
『私には警戒心を解いてくれるというか、凄く嬉しいんだけど、なんでなのかなってずっと思ってて』
「うーん。なるほどな」
ハグリッドは腕を組み、大きく息を吐いた。
「、お前さんはいろんな生き物を惹き付ける能力がある。類まれなる力だ。その分気ぃつけろ。余計なもんまで引き寄せちまう時がある」
もっと詳しく話を聞こうとしたが、それは突然の訪問者によって叶わなかった。よく知っている人たちだ。
『ロン!?どうしたの?』
「?なんでここに…」
『それより、ロンよ。顔色が悪いわ』
その瞬間口からドロリと何かを吐き出した。手のひらサイズはある、巨大なナメクジだ。ハグリッドがバケツを渡し、ロンが受け取る。自然に止まるのを待つしかないらしい。見ているだけでこちらも催しそうだ。
「誰を呪った?」
「マルフォイだよ。ハーマイオニーを…酷い呼び方をした」
「…穢れた血と」
「本当か?」
マグル生まれの魔法使い、魔女は血が穢れているという侮辱。それで、ロンが呪文を唱えたが、あの折れた杖は反対に呪文を唱えたが本人に返ってきたようだ。目の前で涙ぐむ親友。いくらドラコとはいえ、それは言い過ぎだ。
大きくため息をつく。これならあの森に行く方がましだ。静かな教室。ひとつの机を3人で囲む。
「こんなにありがたい懲罰があるでしょうか。そういえば、も本屋に来ていたらしいね。君も一緒に写真を撮りたかったよ」
『えっと…はい』
なんて応えたらよいのかわからず、適当に返事をする。ハリーと一緒にロックハート先生のファンレターの返事を手伝いをする。確かに楽といえば楽だが、ため息が止まらない。きっと私はこの男が苦手なのだ。
「…あれは?」
『どうしたの?』
「何?」
「あの声…」
羽根ペンを止めるハリー。上をキョロキョロと見回している。ハリーが聞こえたという声は、ロックハート先生にも私にも聞こえない。
ファンレターの返事もほどほどに、ハリーと2人でそろそろ戻ることにした。廊下でもハリーの様子はおかしい。壁に手を当てて走り出す。まるで何かを追っているかのように。
『ハリー?』
「聴こえるんだ、声が…」
『ちょっと待って』
「ハリー」
前方からロンとハーマイオニーも来て合流する。この2人にもハリーの言う声は聞こえていない。