第4章 Not surprised
「」
授業後にドラコに引き止められる。あからさまに嫌な顔をしたハーマイオニーには先に行ってもらい、足を止めると、笑顔のドラコが駆け寄ってきた。
「怪我の具合はどうだい?」
『もうすっかり平気よ、ありがとう』
「あの…この前のことだけど、なんていうか……僕たち寮は違うけど、仲良くしよう」
この前のこととはネビルのことだろうか。いじわるするのはよくないけど、それで嫌われたと思ったのだろうか。
『もちろん』
二つ返事で応えると、満足したようにドラコはその場をあとにした。
今日はハロウィン。大広間の長机には色とりどりとお菓子が並んでいる。日本ではこんなに盛大にハロウィンをしたことがないので、文化の違いを実感する。見た目は可愛いが、正直食べなれていないものが多いので、見た目が少し控えめのものをちびちびと食べる。
『あれ、ハーマイオニーは?』
ハリーとロンに尋ねるも首を傾げるだけ。女子に聞いたのか、ネビルからトイレでずっと泣いているらしい、ということを聞き、急いで席を立った。
『…ハーマイオニー?いるの?』
小さく聞こえる鼻をすする音。緑色の扉の向こうから聞こえてくる。間違いなくハーマイオニーだろうが、彼女は何もこたえない。さすがに中に入るわけにもいかないので、タイルの壁に寄りかかる。ひんやりとした冷たさがローブ越しに伝わる。ハーマイオニーから話してくれるのを待っていると、それを感じてくれたのかハーマイオニーの方からゆっくりと話してくれた。
浮遊術の授業で、ロンに強く指摘してしまったこと。その後に、ロンから「友達がいない」と馬鹿にされたこと。
『そっか…ハーマイオニーは真面目だからね』
「……」
『確かにロンはちょっとバカにされたって思ったかもしれないけど、ハーマイオニーなりに教えようとしたんでしょ?言い方は…まあ、うん。でも、ロンは間違ってるわ。だってハーマイオニーには友達がいるもの』
そう言うと、扉がゆっくり開いた。目を赤く腫らした彼女はそれを手で拭い、笑顔を浮かべていた。
「って本当におバカね」
『だからしっかり者がそばにいてくれないと』
ハロウィンのお菓子を食べに行こうと、2人で女子トイレを出ようとすると、そこには太くて大きい足。人間にしてはかなり大きい。