第4章 Not surprised
突然聞こえた声に思わず肩が上がる。まさかレイが喋った?と思ったが、声は違う方向から聞こえた。
『…ドラコ!びっくりした』
「そんなつもりはなかったんだけどね」
今は授業中ではないか、と思ったが正直来てくれたのが嬉しいので、敢えて聞かないでおいた。ドラコは周りをキョロキョロしながら、ベッドの横に腰かける。まるで、誰かに見つからないように。
『どうしたの?』
「の様子を見に来たんだ」
『ありがとう。でもそうじゃなくて…誰か探してるの?』
「いや、ただ…君とふたりで話したくてさ」
その言葉だけを聞くと、まるで少女漫画のような台詞に赤面してしまうが、以前ハリーとロンからドラコとの関係性について話を聞いたことがある。気が合わない、というより、ドラコがかなりハリーたちのことを敵対視してきるらしい。話を聞いただけなので、実際は分からないが。きっと、周りを見ているのは、ハリーたちに会わないようにだろう。
『そっか…大丈夫よ、ここにはいるのはレイと私だけ』
じぃっとドラコを見つめるレイを一瞥する。ドラコは少し間を開けてゆっくりと話した。
「は、スリザリンに来ると思ってた」
『ジョージとフレッドにも言われた。この子がいるからって』
「それもあるけど、それだけじゃなくて…うん」
言いかけた言葉を飲み込むドラコ。上手く表現出来ないのか、言えないことか。わからないが、深く追求することはしない。本人が気まずくなったのか、ドラコが話題を変えた。
「そういえば、あいつの思い出し玉を隠そうとしたんだ。でもポッターに邪魔されたよ。君の怪我はあいつのせいなのに」
『あいつって…ネビルのこと?』
「そうさ。あいつが変な飛び方をしなければ、は怪我しないで済んだんだ。あいつが怪我を負うべきな──」
『ドラコ』
興奮するように話すドラコを落ち着かせるように、右手をそっと彼の肩に手を置く。ドラコはハッとしたようにこちらを向いた。
『あれは、ネビルのせいじゃないわ。だからそんな事しないで。あなたは優しいのに、みんなに誤解されてしまうわ』
目の前の彼は納得できない、というような表情をしている。それでも私の気持ちが伝わったのか、理解しようとしてくれてるのか、それ以上は何も言わなかった。