第4章 Not surprised
遠くの方から聞こえる声。それは次第に近いものになり、暗闇の意識が浮上する。
「あ、!」
「気がついたんだね」
「無理しすぎよ」
「でもかっこよかった」
ハリー、ロン、ハーマイオニーがこちらを見ている。ここはどうやら医務室のようだ。激しかった痛みも今は引いている。そういえば、ものすごく苦い薬を飲んだような気がする。
『ありがとう、意外と平気よ』
「だとしても無茶しすぎだよ」
「そういうハリーだって」
「そうよ。あなた達2人ともおバカだわ」
何の話か読めないが、3人の楽しそうなやり取りを見てすっかり元気になった。
「あの!!」
笑い声の中から聞こえたひとつの声。その方を振り返ると、ネビルが眉毛を下げて立っていた。ゆっくりと近づき、ベットの傍らに立つ。
「、あの、僕───」
『僕のせいで、なんて言わないでね』
キョトンとした顔。ずっと下を向いていた顔がやっとこちらに向いた。
『あれは、事故よ。たまたまネビルの箒が…ちょっと元気だっただけ。だから気にしないで』
責められると思っていたのか、ネビルはほっとした様な表情になった。そもそも私の意思でネビルを助けようとしたのだから、結果として怪我したのは私でも、それがネビルのせいにはならない。
念の為まだ医務室で休むように言われているので、4人は次の授業に出るために医務室をあとにした。
魔法の勉強は楽しい。少しずつ魔法に対する驚きの耐性が着いてきた気がする。小学校に行ってた時には考えられないが、今は授業に出たくて仕方がない。ここでどう過ごしていたらいいのだろうか。せめて本の1冊や2冊置いていてくれたらいいのに。
そんなことを考えていると、ベットの下からレイが現れた。もしかしてずっといたのだろうか。
『レイ〜来てくれてよかった。ずっと暇なのよ』
周りには空いているベッドが並んでいるだけ。こんなに広い医務室の中で1人きりだとかなり寂しい。レイとの会話は難しいが、話を聞いてもらおうと一方的にいろんなことを話す。レイは黙って──元々話せないので黙っているが、話を聞いてくれた。
『ふふっ。あとね、スネイプ先生はなんだかハリーのことが気に入らないみたいで、この前───』
「やあ」