第3章 White encounter
綺麗なプラチナブロンドヘアの青年は、肩に乗る蛇を見て目を見開いている。それもそうだろう。私もさっきまでそうだったし。
『あ、この子は大丈夫。何もしないから。あの、本当にごめんなさい。前を見てなくて』
「へ、平気さ。別に怖いわけじゃない!その、驚いただけで……んんっ!僕はドラコ・マルフォイ。君は?」
『・。よろしくね』
「やっぱり」
その時ドラコが小さな声で何か言っていたが、上手く聞き取れなかった。
ぶつかった時は難しい顔をしていたけど、話してみると結構優しい人だ。握手を交わすと、ドラコは端により、先へと通してくれた。トイレをめざして歩く私の後ろ姿を、ドラコが見ていたのは本人しか知らない。
『ただいま〜。あれ?』
コンパートメントに戻ると、ハリーの他にもう1人男の子が座っていた。どこかで見た顔だ。思い出す前に、ハリーが紹介してくれた。
「おかえり。彼はロンって言うんだ。他が空いてないからここに座ってもいい?って」
『もちろん。私は・。ロン、よろしくね』
「・…?すごいや、まさか本物?じゃあ君にもあるの?あれ」
あれ、が何かわからなくてハリーを見ると、自分の額をトントンと指さした。あれとは傷のことだろうか。『これ?』とTシャツを下げながら言うと、ロンは「すっげぇ!」と驚いていた。
白蛇を見たロンが驚いた後、車内販売を大量購入したハリーのおかげで、コンパートメント内はお菓子パーティーと化した。スキャバーズと名付けられたロンのペット──ネズミをカゴから出そうとした時、思い出したようにロンが白蛇を見た。
「その蛇ってのだよね?スキャバーズの事食べないかな」
『私のって訳じゃないんだけど…食べないよね?』
言葉が通じたかのか、白蛇は上下に首を振る。そのまま白蛇はシートの上で丸くなり、目を開いたまま動かなくなった。蛇は目を開けたまま寝る、と聞いたことがある。どうやら彼は寝てしまったようだ。それを見て安心したロンがスキャバーズを出し、3人と1匹でお菓子を堪能した。どれもこれも初めて見るお菓子ばかりで、見るのも食べるのも楽しく感じる。
「呪文で黄色に変えてみせようか?」
お菓子を口に含んだままロンが言う。ハリーと私はもちろん見たいと応える。