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Again【ツイステ】

第1章 蘇れ




「触んな!」


と。
エースはなぜか私よりも怒り、デュースの肩から、私を降ろした。


「あ、そうか。す、すまない…つい男同士のような感覚で…嫌だったよな」


鉱山に向かった際、デュースは終始「足下、気を付けろよ」「疲れたら、休憩しよう」などと、私を女性として扱ってくれる発言をしていた。
年齢にそぐわない格好をしている大人に対して、申し訳なさそうに、頬を赤らめて謝ってくれる彼を見て、私は到底怒る気にはなれなかった。
私も申し訳なくなり、『嫌じゃないよ、大丈夫。ありがとう』と返した言葉に、ムッとした顔をしていたエースが「やーい、米俵女」と野次を飛ばしてきた。
即座に般若顔で振り向いた私からエースが視線をグルンっと逸らし、そっぽを向く。


「バーカバーカ」
『…なに、妬きもち?お姉さんが構ってくれなくて拗ねてるのかな』
「なっ、おま…」


(……おま?)


バッ、と振り返ったエースにつられて、私も視線をデュースからエースへ向けた。
口をパクパクとさせていたエースは、言葉になっていない声を飲み込んで、息を吸い、大声を出した。


「バッッッカじゃねぇの!!?」
『……おぉ…ごめん』


…なんか。
すごく。
もしかしたら。


(懐かれてる?)
「懐かれていますねぇ」


その三人のやりとりを眺めつつ、グリムから話を聞いていたクロウリーさんがそう言った。


「つまり、グリムくんが言うには…炭鉱に住み着いたモンスター。それを4人で協力して倒し、魔法石を手に入れて学園に戻って来たと?」
「や、協力したっつーか…」
「たまたま利害が一致したというか…」


椅子に腰掛けようとしている私を見守るように眺めているエースとデュースを見つめて。
クロウリーさんは、仮面の奥でカッと目を見開いた。


「お…おお…おおお………!!!お〜〜〜〜〜ん!!」
「なんだコイツ!いい大人が、突然泣き出したんだゾ!」
『…いや、大人だって泣くけど…でもなぜ突然?』



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