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Again【ツイステ】

第1章 蘇れ




















































「エッ!?本当に魔法石を探しにドワーフ鉱山へ行ったんですか?」
「「「『へっ?』」」」


時刻は、深夜23時。
夕方からこの時間までかかって、泥まみれになり、危ない目に遭い、それでも私たちはドワーフ鉱山から一際輝く魔法石を何とか手に入れてきた。
だと、いうのに。
命からがら帰還した私たちに向かって、学園長は素っ頓狂な声をあげ、無責任な事を言い始めた。


「いやぁ、まさか本当に行くなんて。しかも魔法石を持って帰ってくるなんて」


思ってませんでした☆
と失礼極まりない中年男性に向かって、私、エース、デュースは殺気を放つ。


「なんて野郎なんだゾ!!オレ様たちがとんでもねーバケモノと戦ってる時に!!」
「バケモノ?」
「モンスターが出てきたんすよ。ほんと、めっちゃエグいわ強いわで大変だったんすけど!?」


なぁ?と、エースが私に同意を求めて、見下ろしてくる。
私は「異世界肝試しツアー」とでも名前がつけられそうなほど、心臓に悪い体験ばかりをさせられた先刻の鉱山での出来事を思い出し、ガクガクと頷いた。


「オンボロ寮のゴーストとは少し雰囲気が違って、怖かったろう。カオル、少し座らせてもらったらどうだ?」
『……じゃあ…この椅子をお借りしてもよろしいでしょうか。というか、もう体力が限界で…出来れば寝てしまいたいんですが…』
「ふらふらじゃないか。僕に掴まれ」
『えっ』


掴まれ、と言った割に。
私の両腰を掴んできたデュース。
何をするのかと思いきや、彼は急に私の目の前で屈んだかと思うと、「よっと」とガテン系な掛け声を発し、私の体を軽々と自身の右肩に担ぎ上げた。


『わっ、重いから!大丈夫!!』
「ったしかに、重い…!あっ、悪い!」


ピシリ、と私は自分の心がひび割れた音を聞いた。
私の声を聞き、「それでな、こうしてああして」と、グリムが学園長に足りない語彙力で自分たちが直面した鉱山での出来事を説明するのを、所々補足していたエースが振り返った。


「おい何してんだよデュース!カオルを米俵みたいに担ぐんじゃねぇよ!」
「あっ、米俵よりは軽いぞ!だから、重くても大丈夫だ!」
『何が大丈夫なの?ねぇ、何が?』
「大丈夫じゃねぇわ!はよ降ろせ!」

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