第4章 DAY 3
産婦人科と警察を巡り全て終わったのは日付を超えそうな時間。
きっと今日は家には帰れない、帰ったら不安定になると自宅に伝えてもらい外泊の許可をもらった。
きっといつ帰ることができるかわからない、そんな不安を抱えさせたくないから。
そんな顔はもう見たくないから。
「お疲れさんだったな。」
そう言って獄さんは後部座席の扉を開けてくれた。
そこには自宅から持ってきたであろうわたしの着替えがわたしのトートバッグに入っていた。
「十四と空却が取ってきてくれた。あとでお礼しておけよ。」
鞄を開けると洋服の他に歯ブラシ、消毒液やガーゼ、あとは十四くんチョイスなのかシャンプーとコンディショナーとボディーソープのミニボトル、少しお高めのクレンジングジェル、洗顔クリーム、化粧水、乳液のセットと、同じメーカーのパックが入っていた。
「十四が明日起きたら連絡よこせってよ。化粧道具持って来るって言ってた。」
そうだった。
わたしの顔、体、すべてが傷や痣だらけ。
ふいと顔を獄さんから背ければ大きな手がわたしの頭を撫でる。
「ほら、車乗れ。行くぞ。」
おっきくてあったかい手。
優しくて、今は少しだけ辛い。
わたしは獄さんに促され車に乗り込んだ。