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好きのベクトル【ヒプマイ】

第4章 DAY 3




「あんた達雑魚にあの人たちは負けない。」

するりと唇から言葉がこぼれた。
相手を炎上させるだけだってわかってる。
それでもあの人たちを侮辱されるのが許せない。

笑みに歪んだ目の前の顔は醜悪に歪み、わたしの体は横に飛んでコンクリートに体を強か打ち付けた。

「舐めてんじゃねえぞクソガキ。今の立場わかってんのかテメェ。」

がなるように喚き立てるように上から降り続ける言葉。
それと同時に向けられるつま先。
一度、二度、三度とわたしの体を蹴り付けていく。
やめろ、弁護士来るんだぞ、周りにそんな声をかけられた男はわたしの首を軽く締め上げた。

「テメェ一人じゃ何にもできないガキが!」

わたしの上に覆いかぶさる男の体。
股座がガラ空きで、思いっきり振り上げた足が相手の股間にクリーンヒット。
怒りから痛みに変化する表情が愉快で思わず笑ってしまった。
余計に怒りを買ってしまったがそれだけ許せなかった。

「おいテメェら、こいつ押さえつけてろ!二時間なんて待ってられっか!犯す!」

男はポケットに手を入れると掌に収まる何かを取り出した。

ぱちり。


それは男の手の中で倍に開いた。



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