第2章 DAY 1
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「…へ?二人ともこのまま帰っちゃうの?」
食事、チーム会議が終わりファミレスを出ると二人はじゃあと帰っていく。
ちなみに空却くんは「親父がさっさとかえってこいっていってるから」、十四くんは「ば、バンドの練習っす!」としどろもどろになりながらいつも向かうスタジオとは反対方向…空却くんの後を追って歩いて行ってしまった。
残った私と獄さん。
ガリガリと頭を頭を掻いた獄さんは私に視線を向けた。
「…送っていく。」
嬉しい。でもそのまま帰りたくない。
そんなモヤモヤを抱えながら先を歩く獄さんを追う。
道を渡り有名な駅近ホテルの方に向かっていく獄さん。
交差点をスパイラルタワーの方へ曲がって進めば、左手に見えたコメ○珈琲店。
慌てて獄さんに駆け寄って腕に抱きつけば、獄さんは驚いて私を見る。
「っ!なずな!」
「コメダッ!寄りたい!クリームオレ飲みたい!」
獄さんに怒られる前に自分の主張をする。
ぎゅーっと抱きつき視線を上げれば獄さんが慌てて視線を逸らす。駄目だったか、と腕の力を緩めると獄さんが私を呼ぶ。
「…飲んだらすぐ帰るぞ。」
そう言ってお店に向かう獄さんの後ろを私は先ほどと真逆の幸せな気持ちで追いかけた。