第7章 Telephone XXX
その時、私のスマートフォンの着信音が鳴って、部屋に響き渡った。びっくりしてベッドから起き上がり、鞄から取り出すと、相手はご主人様だった。
「……もしもし」
「今、あなたは、自分で自分を慰めていましたね」
「……!」
図星で困惑した。なぜ、それをご主人様が知っているのだろう。
「部屋に隠しカメラが仕掛けてあるんですよ。あなたの今までの行為は、全て見ていましたよ」
かあっと顔が熱くなり、逃げるようにそのまま地下室から出て行こうとすると、「待て」と冷たい声が電話越しに私の鼓膜を震わせた。
「ベッドに戻るんだ。それで、俺にさっきの続きを見せてくれ」
「で、でも……」
「言うことを聞きなさい、いや、聞くんだ。俺の命令が聞けないとは言わせない」
私は震える体でベッドへ戻る。腰を掛けると、ご主人様は下着を脱げ、と指示してきた。
誰にも見られていないはずなのに、恥ずかしくて堪らない。靴を脱ぎ、スカートの中から下着を下ろして、ベッドの上に置いた。
「それだけじゃ中が見られない。脚を拡げて、前を向け」
私は羞恥心を堪えて、ベッドの上に座ると、脚を開いて秘部を露わにした。
「良い眺めだ。次は指を使って秘部を擦れ」
ためらっていると、下の名前を呼ばれ、ぞくりと肩が震えた。酷くした後にかけられる甘い囁きに似ている。
人差し指と中指を自分の弱いところに触れさせた。唇をかんで、必死に喘ぎ声が出そうになるのを堪える。
「どうして声を出さない」
「聞かれたくない、んですっ……」
「散々喘ぎ散らして来たのに、今更聞かれたくないなんておかしな話だな。それなら、俺が欲しくなるように、今からお前と同じことをしよう」
電話越しに、ベルトが外れる金属音が聞こえる。
「俺は今、お前が欲しく勃ってる。これでめちゃくちゃにしてやりたい」
興奮した声は電話からでも十分に伝わってくる。鼓膜を通して、私の頭の中はたちまち、ご主人様のことで一杯になっていく。