第5章 碧棺左馬刻 (part2)
「痛っ、い……ッ」
まだ濡れてもいない場所に碧棺左馬刻のソレが強引に挿入されると、苦痛で顔が歪む。自由に動かない手をベッドに押しつけ、拳を握り締めた。
すがるような眼差しでご主人様を見ると、何故かハンディタイプのビデオカメラをこちらに向けている。
「っ、それは……」
「あなたの顔が汚れて、好きでもない男に犯される。そんな様子をふと撮ってみたくなったんですよ」
眼鏡の奥の瞳は意地悪く光っている。ビデオカメラを持ったまま私の近くへ移動してくると、顎を持ち上げられ、精液で汚れて苦痛に歪む顔を撮影された。
「……ほら、もっと顔を見せるんだ。そしたら、顔についたやつは取ってやる」
「うう……っ」
私がためらっていると、左馬刻に腰を掴まれ、一段と奥まで入って来る。痛みから前のめりになってベッドに肘をつくと、ご主人様はその様子すらも撮影している。
「ほらっ、もっとよがれ、ご主人様の前では喜んで腰振ってんだろ?」
私がどう感じているかなんて関係ない、乱暴で、荒々しい律動。腰を打ち付ける音だけが部屋に響き渡る。
違う、こんなの、酷い。溢れ出た涙が頬に伝うと、頬に革の手袋が触れた。そのまま私の顔は持ち上げられ、私を斜め上から見下ろしているご主人様と目が合った。
「左馬刻とのセックスはどうだ?その顔だと、全然感じてなさそうだが」
「いたいっ、……ですっ」