第4章 碧棺左馬刻(part1)
それからしばらくして、私の顔にも首筋にも、それぞれの精液がかけられる。顔なんて、どちらのものなのか分からない位汚された。
「はあっ……」
やっと解放されて、私は大きく息を吐いた。ご主人様も左馬刻も余裕そうな顔で自分の服を整えて私から離れると、煙草に火をつけた。ご主人様はソファに腰をかけ、左馬刻は壁に寄りかかっている。
「せっかくだから下はまず俺にやらせろ。生でやっても良いんだろ?」
「中に出さなければ構わない」
「あ?んなこと出来るわけねえだろ」
私の姿をよそに、二人で言い合いをはじめ、左馬刻は不機嫌そうな顔でご主人様を睨み付けた。どうせ下も犯されるのは分かっているけど、顔と首筋にかかっている不快なものだけは何とかして欲しい。
「彼女は俺のペットだ。中に出していいのは俺だけだ」
「何でも言うこと聞かせるんじゃねえのかよ」
「中出し以外なら好きにしろ。とにかく、中に出すのは駄目だ」
左馬刻は、ふーっと煙を吐くと私の方を一瞥した。
「チッ、今回はお前の言うこと聞いてやるよ」
ソファの傍の灰皿にジュッと火を押しつけると、再び近づいてきた。
「良かったな、銃兎は思ってるよりお前のこと愛してるみてぇだぜ」
そんな風に言われても、全然嬉しくない。今までさんざん蹂躙され、歪んだ劣情を向けられてきたのだから。
たとえ体は反応してしまったとしても、私が思い描いてきた愛とは全然違う。こんな風にペットとして扱われ続けたら、私の境遇を知ってまで引き受けてくれるような人なんて一生現れないだろう。
「じゃ、尻向けろ。バックで犯してやる」
私は言われるがまま、体の向きを変えて臀部を突き出した。