第4章 碧棺左馬刻(part1)
「俺様の言うことが聞けねぇのか?ご主人様が俺の言うことを聞けっていってるんだからやれ」
赤みがかった瞳が、冷ややかに見下ろしている。がしっと頭をベッドに固定され、半分無理矢理口の中に突っ込まれる。大きいソレが喉奥をつくと、吐き気がこみ上げ、苦しくなって目を細めた。
前後に動かされると、私は呼吸をし、口をすぼめるだけで精一杯だった。
「咥えてるだけじゃ、意味ねえだろ」
私は手を添え、腰の動きに合わせるように上下にしごく。頬の裏をついたり、喉の奥をついたり、容赦なく彼のソレは私の口内を犯していく。
「歯、立てんじゃねえぞ」
激しい打ち付けに吐き気を堪えながら、口内を圧迫するするようなソレに歯を立てないようにする。
何十回繰り返されたか分からない律動の後、彼は口の中からソレを抜き、私の顔に白濁した液体をかける。
やっと解放されたけれど、つんとした匂いと顔にまとわりつくべたべたした液体は、不快でしかなかった。左馬刻はそんな私を見て、満足そうに口許をつり上げた。
「おい、銃兎。手錠持ってるか」
「もちろん」
ソファに座っていたご主人様は手錠を持ってくると私の手首にカチャリとかけ、眼鏡のブリッジを押し上げながらふっと笑った。
「俺にそんな顔をされたら許せないが、好きでもない男に顔を汚されて、不快そうな顔はかえってそそるな。でも後ろから見るんじゃつまらない。今度はもっと近くで見させてもらうか」
そう言うと、ベッドの傍の椅子に腰をかけると脚をくんで、煙草に火をつける。