第3章 <2>首輪のついたペット
「今日は特別に、俺が風呂にいれてやろうか」
長い口付けの後、私の体は起こされ、膝の裏と背中を抱き上げられた。
ご主人様自ら私をお風呂に入れてくれるなんて、ペットとして扱われるようになってから、はじめてだった。
私はご主人様に抱っこされた状態のまま、部屋の奥の扉、その先へ連れ行かれる。
扉の奥は、大きく3つのスペースに分かれている。ハードなSM行為が出来るスペース、体を洗うことが出来るスペース、トイレだ。SM行為が出来るスペースと体を洗うスペースはガラス張りで繋がっていて、お風呂に入りながら様子を見ることが出来るようになっている。
今日は体を洗うだけ。このスペースで特に印象的なのは大きくて白い猫足のバスタブ。私の首輪とご主人様の眼鏡以外、2人は何も身につけていなかったので、そのままバスタブに入った。
ご主人様は眼鏡を外して近くの台にそっと置くと、蛇口をひねってお湯を張り始める。
バスタブの傍にはシャワーもついて居て、バスタブに入りながら体を洗うことも出来る仕様になっていた。私はご主人様の股の間に背を向けて座らされると、温かなシャワーを肩からかけられる。
「つくづく思うが、肌が綺麗だな」
首筋に舌が這ったかと思うと、吸い上げられて痕をつけられる。
「っ……」
そのままうなじを沿うようにして、耳元に唇があてがわれた。
「昼間、お前が警察官として働いているのを見かけると、すごく興奮する。何事もないように振る舞っておきながら、俺の前ではこうして、いやらしい姿をさらして、よがるから」
低く囁く声に、ぞくりと肩が震える。